【grbl】Gコード参考資料

G28

リファレンス点復帰

フォーマット

G28 X◯◯ Y◯◯ Z◯◯
パラメータ 説明
X 経由するX座標(省略可)
Y 経由するY座標(省略可)
Z 経由するZ座標(省略可)

説明

G28.1にて設定された座標に移動します.
その際にG28で示したXYZの座標を通ってからG28.1で指定された点へ移動します.

設定されていない場合は原点に機械原点に復帰します.

Grblでは設定されたリファレンス点は$#のコマンドにて確認可能です


G30

リファレンス点復帰

フォーマット

G30 X◯◯ Y◯◯ Z◯◯
パラメータ 説明
X 経由するX座標(省略可)
Y 経由するY座標(省略可)
Z 経由するZ座標(省略可)

説明

G30.1にて設定された座標に移動します.
G28と同じです.

G28.1

リファレンス点設定

フォーマット

G28.1 X◯◯ Y◯◯ Z◯◯
パラメータ 説明
X X座標(省略可)
Y Y座標(省略可)
Z Z座標(省略可)

説明

G28にて移動する座標を設定します.
指定する座標値はワーク座標系の座標値です.
指令送信後は指定した位置へ移動します.

座標値を省略した場合,現在座標がG28.1にセットされます.

Grblでは設定されたリファレンス点は$#のコマンドにて確認可能です


G30.1

リファレンス点設定

フォーマット

G30.1 X◯◯ Y◯◯ Z◯◯
パラメータ 説明
X X座標(省略可)
Y Y座標(省略可)
Z Z座標(省略可)

説明

G30にて指定した座標に移動します.
G28.1と同じです.

G38.2

プロービング.(接触すると停止,失敗するとアラーム版)

フォーマット

G38.2 X◯◯ Y◯◯ Z◯◯ F◯◯
パラメータ 説明
X X座標(省略可)
Y Y座標(省略可)
Z Z座標(省略可)
F 送り速度

説明

プローブを当てにいくときの指令です.失敗(接触しなかった or 最初から接触している)場合はアラーム(Alarm:4 or Alarm:5 Probe fail)が発生します.(ロックされアンロックするまで操作できなくなります)

指定する座標値はワーク座標系の座標値です.プローブの向かう方向を指定します.
工具を相対座標にて設定する場合は以下のようにG90G91を用います.

G91
G38.2 Z-1 F10;現在位置からzに-1mm移動する
G90

プロービングに成功すると以下のフォーマットでメッセージが返されます.

[PRB:停止位置のX座標,停止位置のY座標,停止位置のZ座標:成功(1)or失敗(0)]

また$#コマンドにて最後のプロービングの結果を確認できます.


G38.3

プロービング.(接触すると停止,失敗してもアラーム発生しない版)

フォーマット

G38.3 X◯◯ Y◯◯ Z◯◯ F◯◯
パラメータ 説明
X X座標(省略可)
Y Y座標(省略可)
Z Z座標(省略可)
F 送り速度

説明

G38.2と同じですが,失敗してもアラームは発生しません.

G38.4

プロービング.(接触した状態から接触が失われると停止,失敗するとアラーム版)

フォーマット

G38.4 X◯◯ Y◯◯ Z◯◯ F◯◯
パラメータ 説明
X X座標(省略可)
Y Y座標(省略可)
Z Z座標(省略可)
F 送り速度

説明

プローブを離す際に検知したい場合の指令です.
失敗した場合はアラームが発生します.(ロックされアンロックするまで操作できなくなります)

指定する座標値はワーク座標系の座標値です.プローブの離れる方向の座標を指定します.
工具を相対座標にて設定する場合は以下のようにG90G91を用います.

G91
G38.2 Z1 F10;現在位置からzに+1mm移動する
G90

プロービングに成功すると以下のフォーマットでメッセージが返されます.

[PRB:停止位置のX座標,停止位置のY座標,停止位置のZ座標:成功(1)or失敗(0)]

また$#コマンドにて最後のプロービングの結果を確認できます.


G38.5

プロービング.(接触が失われると停止,失敗してもアラーム発生しない版)

フォーマット

G38.5 X◯◯ Y◯◯ Z◯◯ F◯◯
パラメータ 説明
X X座標(省略可)
Y Y座標(省略可)
Z Z座標(省略可)
F 送り速度

説明

G38.4と同じですが,失敗してもアラームは発生しません.

G40

工具径補正キャンセル

フォーマット

G40

説明

Grblでは常に工具径補正がオフになっているため必要ありません.
(生成されるNCプログラムの最初にG40が書かれていることが多いためサポートしているようです)

G43.1

動的工具長補正

フォーマット

G43.1 Z◯◯
パラメータ 説明
Z Z座標オフセット量

説明

この指令以後は指定量分,座標をオフセットして動作します.
工具が摩耗するなど工具の長さが変更される場合に,NCプログラムを変更せず座標を変更する際に用います.

Grblでは$#のコマンドを入力すると以下のように補正量を確認できます.

[TLO:◯◯]

またXやYの値を指定するとerror:37(Invalid gcode)が発生します.

G0 Z2; Z2へ移動
G43.1 Z0.5; 0.5mmオフセット
G0 Z3; このとき機械座標系ではZ3.5となっています.

G49

工具長補正キャンセル

フォーマット

G49

説明

G43.1の工具長補正をキャンセルします.

G53

機械座標系指定

フォーマット

G53 G0 or G1 X◯◯ Y◯◯ Z◯◯

説明

ワンショットのGコードです.(使うたびに指令する必要があります。)
直後のG0G1を機械座標系(機械原点を加工原点としたワーク座標系)で動かします.

G53 G0 X10 Y20; ワーク座標系に関係なく機械座標系のX10 Y20へ移動
G0 X20 Y20; ワーク座標系のX20 Y20へ移動
G53 
G0 X10 Y20; 別の行(ブロック)となるとG53の影響範囲から抜けるためワーク座標系のX10 Y20へ移動してしまう

G54

座標系1指定

フォーマット

G54

説明

使っている座標系を座標系1へ切り替えます.
モーダルな指令なので一度指令を送信した後は変更するまで有効です.

Grblでは電源投入時のデフォルトです.


G55

座標系2指定

フォーマット

G55

説明

使っている座標系を座標系2へ切り替えます.


G56

座標系3指定

フォーマット

G56

説明

使っている座標系を座標系3へ切り替えます.


G57

座標系4指定

フォーマット

G57

説明

使っている座標系を座標系4へ切り替えます.


G58

座標系5指定

フォーマット

G58

説明

使っている座標系を座標系5へ切り替えます.


G59

座標系6指定

フォーマット

G59

説明

使っている座標系を座標系6へ切り替えます.

G61

イグザクトパスモード

フォーマット

G61

説明

Grblでは常にイグザクトパスモードとなっているため,呼び出す必要はありません.

G80

固定サイクル停止

フォーマット

G80

説明

grblでは固定サイクル(G81-G89)をサポートしていないため,G80を呼び出す意味は特にありません.

G90

アブソリュート指令(絶対値指令)

フォーマット

G90

説明

G0等で使う座標値にワーク座標系の原点からの座標を用いる指令です.
モーダルな指令なので一度指令を送信した後は変更するまで有効です.


G91

インクリメンタル指令(増分値指令)

フォーマット

G91

説明

G0等で使う座標値に現在位置からの座標を用いる指令です.
モーダルな指令なので一度指令を送信した後は変更するまで有効です.

G91.1

円弧中心指定モード変更(増分値指定)

フォーマット

G91.1

説明

G2,G3の円弧中心を指定する際にIJKを使いますが,IJKが現在座標からの増分値であることを指定します.
ただしgrblでは増分値指定がデフォルトであり,絶対値指定のコマンド(G90.1)がサポートされていないため,呼び出しても特になにもありません.

G92

座標系オフセット

フォーマット

G92 X◯◯ Y◯◯ Z◯◯
パラメータ 説明
X X座標(省略可)
Y Y座標(省略可)
Z Z座標(省略可)

説明

指定した座標になるように原点位置が移動します.この際実際の移動は発生しません.
これにより見かけ上のワーク座標値が変更されます.

この原点の移動はワーク座標系を変更しても維持されます.
リセットする場合はG92.1を呼び出します.

G92.1

座標系オフセットリセット

フォーマット

G92.1

説明

G92で設定したオフセットをリセットします.

G93

インバースタイム送り(1/F min)

フォーマット

G93

説明

G1G2G3で移動する際の送り速度(Fワード)をインバースタイム送りとします.
インバースタイム送りでは指令の移動を(1/F)分以内に終わらせるように移動します.

G93
G1 X10 Y10 F2; 1/2分(0.5分)で移動が完了するように動く

G94

送り速度モード(mm/min or inch/min)

フォーマット

G94

説明

G1G2G3で移動する際の送り速度(Fワード)をmm/min or inch/minとします.
毎分あたりに動く量を指定する方法です.

M0

プログラムストップ

フォーマット

M0

説明

プログラムを一時停止します.
GrblではHold状態となり,再開・復帰ボタンを押す(~サイクルスタート・レジュームコマンド),リセットボタンを押す(0x18 (ctrl-x)ソフトリセットコマンド)ことでHoldから復帰できます.

M2

プログラム終了

フォーマット

M2

説明

プログラムを終了します.

実行されるとGrblより[MSG:Program End]が送られてきます.
また実行されると以下の設定がデフォルト値に戻されます.

  1. ワーク座標系(G54座標系1へ変更)
  2. 選択平面(G17XY平面へ変更)
  3. 座標指令方法(G90絶対値指令へ変更)
  4. 送り速度モード(G94毎分送りへ変更)
  5. スピンドルが停止(M5へ変更)
  6. クーラントがオフ(M9へ変更)

M30

プログラム終了

フォーマット

M30

説明

M2と同じです.

M3

スピンドル正転(時計回り)
(レーザーモードの場合:一定レーザー出力モード)

フォーマット

M3 S◯◯

説明

スピンドル・主軸を正転(時計方向回転)させます.

GrblではS指令に合わせてPWM出力を行います.ただし最大速度は制御基板によって予め指定されています.最大速度以上の指定はPWMが最大の状態です.

S5000; 5000rpm指定
M3; スピンドル正転
M3 S5000; スピンドルを5000rpmで正転

M4

スピンドル逆転(反時計回り)
(レーザーモードの場合:動的レーザー出力モード)

フォーマット

M4 S◯◯

説明

スピンドル・主軸を逆転(反時計方向回転)させます.

GrblではS指令に合わせてPWM出力を行います.ただし最大速度は制御基板によって予め指定されています.最大速度以上の指定はPWMが最大の状態です.


M5

スピンドル停止

フォーマット

M5

説明

スピンドルを停止させます.

M7

ミストクーラントオン(オプション)

フォーマット

M7

説明

ミストクーラントをオンにします.

ただしこのコマンドはオプションのため制御基板によって有効になっているかどうかが異なります.デフォルトでは無効です.


M8

クーラントオン

フォーマット

M8

説明

クーラントをオンにします.


M9

クーラント停止

フォーマット

M9

説明

クーラント(M7およびM8)を停止します.