【評価基準】OSHWプロジェクトのオープン度合いを図るOSHWMeter-T

OSHWMeter-T ver.2023/10/22
=結論(目的)=
OSHWMeter-Tに合わせてオープンデータを整理することによって

開発者にとって「最初からどのデータを出せば良いなのか」が整理しやすく、「そのデータは公開するかどうか」が明確になる.

販売者は定期的に開発者と交流し、収集したデータを製品と一緒に公表する.

使用者にとっては開発者の意図を理解しやすく、データ収集のコスト削減できる.

新規開発者の参入しやすさ、に効果的だと考えられている.

目次-Index-
・背景
・定義
・採点項目(クイックチェックフォーム) ←一番重要
・項目詳細解説 ←二番目重要 ほかは読まなくてもおk
・その他

=背景=
オープンソースと言っても強制的に全公開することはない.「何を」「どこで」「どの程度」でオープンする.使用許可はどの範囲まで制限(宣言)する.これらはすべて開発者次第である.しかし、現代のインターネット社会では情報が散乱しており、これらを素早く正確に確認するフォームが必要である.これらの情報収集はOSHWビジネスモデルにおける販売者の非強制的義務であるべきと考えている.開発者側も「OSHWMeter-T」を参考にし、整理されたアクセスしやすい情報まとめページを作れると思う.

=定義=
OSHWMeter-Tは美的ではなく、機能的な創作物を対象にする.
想定される評価範囲は家具、機械、制御基板.
これらの情報のオープン度合いを図る、一つの「基準」として参考にするメーターである.

=採点項目=
(ここをコピペして■を編集すれば完成)
!OSHWMeter-T合計点数! ①+②+③=■/10

‐原理開明- ①=■/3
・基礎図面orCADモデルor回路図 ■/1
ソース:URL■
・組立説明 ■/1
ソース:URL■
・操作マニュアル&応用例 ■/1
ソース:URL■

-物理再現- ②=■/3
・BOMリスト ■/1
ソース:URL■
・汎用性部品構成 ■/1
ソース:URL■
・製造図面&ガーバーデータ&製造指示データ(CPLFile) ■/1
ソース:URL■

-情報統合- ③=■/4
・OSライセンス ■/1
ソース:URL■
・公開的議論場 ■/1
ソース:URL■
・貢献者&引用リスト ■/1
ソース:URL■
・アクティブ開発者 ■/1
ソース:URL■

具体例はこちら

=項目詳細解説=
‐原理開明‐
・基礎図面orCADモデルor回路図 1
相対的に簡単な家具は説明2D図面でおk
構造がより複雑な機械には3Dモデルが要求される.
構造など十分に確認できない簡易図面or写真のみの場合は-0.5

・組立説明 1
CADによる組立説明は望ましいが、制作コストを考慮すると、ここでは写真や簡易図面でも減点しない.
わかりにくい部分など多数に指摘されても修正しない場合は-0.5

・操作マニュアル&応用例 1
マニュアルを通して応用例が必要、チュートリアルもおk. ない場合 -0.5
操作マニュアルは機能について詳細に説明するものであるが、他人が開発者の意図をすべてマスターするには時間がかかる. よって実際の使用例を一つ作成することを強く勧める.

‐物理再現‐
・BOMリスト 1
Bill Of Materialsの略、部品リストのこと. エクセルやスプレッドシートで十分
マニュアルや組立説明には分散で書いてある場合は -0.5
Opensourcedesign.ccでは編集可能による加点があるが、現在のORC技術で簡単に抽出できるようになったので、ここでは編集可能については評価しない.

・汎用性部品構成 1
入手困難の部品があるが,製造図面外注で製造可能ならおk -0
特定のサプライヤーからしか入手できない専用部品が含まれている-0.5
入手困難の部品があるが,特殊な加工は機能的必須(少数製造不可,表面処理など)-1

・製造図面&ガーバーデータ製造指示データ(CPLFile) 1
図面に必要公差,寸法など欠けている場合は構造説明図面に該当する -0.5
ない場合 -1

‐情報統合‐
・OSライセンス 1
任意なライセンスの表示
自由な改造商業制限NCは-0.5

・公開的議論場 1
コメント可能ブログ,BBS,Githubなど ok
開発に連絡取れるが、制限訪問のコミュニティor メールのみの場合 -0.5

・貢献者&引用リスト 1
他のプロジェクトのリソースを使用したが参考文献に乗ってない ‐0.5

・アクティブ開発者 1
更新ある、開発者コメント、半年内にある
半年以上1年内に反応がある場合‐0.5

=その他=
一部のOSHWが全オープンにしたがらない理由や
OSHWビジネスモデルの相性,収益化,生存戦略,理想の分配制度や
OSHW製品化マニュアルなどは別の記事で話そうと思っています.
「OSHWMeter-T 」の汎用性をある程度広げたいのですが、小生は基板製造に疎いので指摘をいただけると幸いです.他の分野或いは創作物にも応用できるならバージョンアップしていくつもりです.

‐参考文献&貢献者リスト‐
・この文書はopensourcedesign.ccのOSmeterに基づき作りました.
(サイト閉鎖したのでweb.archive.orgのWaybackmachineで見ましょう.opensourcedesign.ccの後継プロジェクトはOpen!Nextになるらしい.kwsk見てない)
・基板関連はNyaruさんに少し相談しました.

=応用例ArtCNC Large=

ArtCNC Large !OSHWMeter-T合計点数! ①+②+③=7/10点

‐原理開明- ①=2/3
・基礎図面orCADモデルor回路図 0/1
ソース:Gymさんにお願いして作ったが公開してない・・→点数稼ぎのため更新予定
・組立説明 1/1
ソース:
初期版【組立説明】Art CNC Large
AvalonTechさんの再編集ArtCNCLarge組立説明 | AvalonTech Documentation

・操作マニュアル&応用例 1/1
ソース(自分は作ってない):CNCカテゴリガイド【RepRapFirmware版】

-物理再現- ②=1/3
・BOMリスト 0.5/1
ソース:ArtCNCLarge組立説明 | AvalonTech Documentation
(組立図面含まれているが、アクセスしやすいように整理してない)
・汎用性部品構成 0.5/1
ソース:ArtCNC Large – AvalonTech
(専用プレート板を使っている、しかも製造図面も出してないしAvalonTechさんのショップのみで購入可)
・製造図面&ガーバーデータ&製造指示データ(CPLFile) 0/1
ソース:パーツ個別の図面データは出していない →点数稼ぎのため更新予定

-情報統合- ③=4/4
・OSライセンス 1/1
ソース:CC BY-SA 3.0
・公開的議論場 1/1
ソース:自作CNC - OpenSource Hardware オープンソースハードウェアのコミュニティ
・貢献者&引用リスト 1/1
ソース:【組立説明】Art CNC Large - Tohru の #6
・アクティブ開発者 1/1
ソース:今投稿しました(:https://bbs.avalontech.jp/

OSHWmeterをどう思うと話を受けたので、CNC xPRO V5とDuet3 Mainboard 6HCに当てはめてみました。

CNC xPRO V5

!OSHWMeter-T合計点数! ①+②+③=2.5/10

‐原理開明- ①=2/3
・基礎図面orCADモデルor回路図 1/1 -0.5
ソース:XPro V5 Hardware · Spark-Concepts/xPro-V5 Wiki · GitHub
・組立説明 1/1
ソース:Basic hookup · Spark-Concepts/xPro-V5 Wiki · GitHub
・操作マニュアル&応用例 1/1 -0.5(応用例)
ソース:USB Guide · Spark-Concepts/xPro-V5 Wiki · GitHub

-物理再現- ②=0/3
・BOMリスト 0/1
ソース:なし
・汎用性部品構成 0/1
ソース:なし
・製造図面&ガーバーデータ&製造指示データ(CPLFile) 0/1
ソース:なし

-情報統合- ③=0.5/4
・OSライセンス 1/1 -0.5(NC)
ソース:CC BY-NC-SA 4.0 Deed | Attribution-NonCommercial-ShareAlike 4.0 International | Creative Commons
・公開的議論場 0/1
ソース:なし
・貢献者&引用リスト 0/1
ソース:なし
・アクティブ開発者 0/1
ソース:なし

Duet3 Mainboard 6HC

OSHWMeter-T合計点数! ①+②+③=8.5/10

‐原理開明- ①=2.5/3
・基礎図面orCADモデルor回路図 1/1
ソース:https://github.com/Duet3D/Duet3-Mainboard-6HC/blob/master/Duet3_Mainboard_6HC_v1.02/Duet3_MB_6HC_Schematic_v1.02.pdf
・組立説明 1/1
ソース:Wiring your Duet 3 mainboard | Duet3D Documentation
・操作マニュアル&応用例 1/1 - 0.5(応用例)
ソース:Duet Web Control Manual | Duet3D Documentation

-物理再現- ②=2/3
・BOMリスト 1/1
ソース:https://github.com/Duet3D/Duet3-Mainboard-6HC/blob/master/Duet3_Mainboard_6HC_v1.02/Duet%203%20MB%206HC_1.02_ibom.html
・汎用性部品構成 1/1
ソース:https://github.com/Duet3D/Duet3-Mainboard-6HC/blob/master/Duet3_Mainboard_6HC_v1.02/Duet%203%20MB%206HC_1.02_ibom.html
・製造図面&ガーバーデータ&製造指示データ(CPLFile) 0/1
ソース:なし

-情報統合- ③=4/4
・OSライセンス 1/1
ソース:https://github.com/Duet3D/Duet3-Mainboard-6HC/blob/master/LICENSE
・公開的議論場 1/1
ソース:https://forum.duet3d.com/
・貢献者&引用リスト 1/1
ソース:Contributors to Duet3D/Duet3-Mainboard-6HC · GitHub
・アクティブ開発者 1/1
ソース:Contributors to Duet3D/Duet3-Mainboard-6HC · GitHub

感想

オープン度合いを数値で示すという試みは良いと思うのですが、いくつか試してみて気づいた点を以下に書いておきます。

  • 現状のフォーマットが見づらいです。文字が長々と書いてあるのと、点数がバラバラに書いてあるというのは分かりにくいかと思います。
    内容的には削る必要はないと思いますが、レイアウトとか表示の仕方を調整したほうがいいと思います。
  • 正直、URL等を記載して点数を計算して減点要素を見てという流れがやや面倒でした。
    小規模でやる分にはこれでいいと思いますが、質問形式で答えていくと点数とまとめられたフォーマットが出てくるようなツールがあるとだいぶ楽かと思います。
  • もし今後使う場合は、改良していくかと思うのでライセンスのようにバージョンをつけると良いかなと思いました。CC4.0みたいにOSHWMeter-T 1.0とか。

仕組み自体はとても良いことだと思います。
そのハードがどの程度オープンなのかを示す指標になり、何がオープンにされているのかの項目がすぐに分かることは良いことだと思うので。
ただ、使いづらさ伝わりづらさにやや難があると思うので、そこが改善されるとなお良いかと。
指標の内容については改良していけば良いと思うので、現状原案としては十分かと思いました。

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