アマチュアレベルの圧着について

Duet3の説明で使用されている圧着の写真があまりにも酷くて気が遠くなり、かといって正しく、安く圧着が出来るような文章を書くことを考え始めると気が遠くなってくるので、つらつらと思う所を書きます。

プロにはプロの圧着技術があるのですがプロにはプロの金の掛け方があってアマチュアには真似が出来ないので、この文章を作成しています。

この文章は細かくアップデートしていくつもりですので、指摘等で間違った箇所等は直接修正します。
また、途中で挫折して放置することもあります。

圧着が失敗する理由

圧着が失敗する理由をリストアップします。

  • ケーブルとコンタクトのサイズが合っていない
  • 正しい工具を使っていない
  • 何度も同じ箇所を圧着している
  • 圧着の強さが正しく無い

といった事があげられます。
特にケーブルの太さとコンタクトの選択が間違っていると何をどうやっても正しく圧着できません。

また工具は重要です。コネクターメーカーが出している純正の工具を使えば、次に書いてある問題(同じ箇所を何度も圧着している、圧着の強さが正しく無い)は解消されます。

なぜ純正の工具を使うと何度も同じ所を圧着しないのか、また正しい強さで圧着出来るか?ですが、ラチェット式になって力が足りなければ手を離しても開かないようになっていて、力をかけすぎても端子にそれ以上力を与えないような構造になっているからです。
その分高いのですが純正の工具を買いコネクターメーカーが出している圧着のやりかたを実践すれば、すぐ圧着のプロレベルになれます。(まあ10−20回ぐらい練習する必要はありますが)
どのぐらい高いかというと比較的安い手動圧着機でも平均7万ぐらいします。
値段は工具を作る難易度によります。比較的精度が要求されず、圧着に力が不要なAWG16-AWG28あたりの圧着機は6万円程度であります。油圧が必要なぐらい力が要る奴は高いですし、1.2mmピッチの圧着部がAWG30ぐらいの非常に小さなコネクターは精度が非常に厳しいため10万近くするのもあります。

こういう純正品を安く買う方法がヤフオク等のオークションサイトです。大抵は倒産品あるいはメーカーの使用回数制限を超えて精度が保証できないという理由で廃棄されたもので、アマチュアが使う程度なら十分使えるのが多いです。ただ最近は値段もなぜか上がっているようでオススメはしません。

というわけで高い純正を買わずに済ます方法を色々と考えるわけです。

コネクターの用語説明

ハウジング

housing
コネクターの外側。金属部分が無い物

コンタクト

contact
金属製で電気を相手のコネクターに通す物

裸端子

Y_H
絶縁が無い金属だけで作られた端子

絶縁被覆端子 (絶縁付き圧着端子)

Y_R
まあ見たとおりです

ケーブル芯線の直径の測り方とAWGの説明(コンタクトの選び方)

圧着用コンタクトには使用出来るケーブルの太さがあります。
ここで言う太さは芯線(導線のことです)の太さです。被覆の太さではありません。
通常はAWGかSQという単位を使います。コネクターによっては直径で書いてあるのもあります。
通常ケーブルを注文する時は仕様書に書いてあるためわかりますが、現物が支給されたりする事もあります。そういう時はケーブルにAWG番号が書かれていればその値を使いましょう。書いて無い場合は信用できるワイヤーストリッパーできれいに剝ける所に書いてある数字がAWG番号か直径です。
もう1つはノギスで測る方法で、単純に導線をノギスに測るとぺしゃんこになって測れません。そこで軽くネジってノギスの先端では無く、もう少し奥側の肉厚が厚い部分で測ります。
AWG表示、mm表示、面積表示(SQ)の変換はネット上に変換表があるのでそれを使います。
googleでAWG mm SQ等で探すといっぱい出てくると思います。
とりあえず以下のページを紹介しておきます。

あとは、これに合うコンタクトを探すだけです。が・・やはり現物支給されている場合もあると思います。型番が書いてあればgoogleて資料を探してAWG番号かSQ番号、もしかしたら直径で書かれている範囲に入っているか確認してください。もしダメならコンタクトかケーブルを変えるしかありません。

型番が書いて無い場合は芯線を圧着する場所に入れてみて70%以上95%以下程度のならば大体いけます。がこんな方法はアマチュアでしか許されません。

圧着の種類

https://www.digikey.jp/Web%20Export/Supplier%20Content/Molex_23/PDF/molex-crimped-terminals-jp.pdf
[圧着の種類] の所だけ見てください。色々と厳しい事が書かれていますがプロの仕事はもっと厳しい事が書かれています。(今は気にしないでください)

オープンバレル

duet3ではステッピングモーターとリミットスイッチに使われているタイプです。これは圧着される側が上に向かって手を広げているようになっているコンタクトを圧着機のお尻のようになっている部分でクルッと巻いて押し込むタイプです。


オープンバレルコネクターに圧着する場合は導線をねじってはいけません。写真のように導線を2つに別けて圧着するようになっています。(他の圧着方法でも、ねじらないでください)

クローズバレル

クローズバレルは円筒のようになっている部分に銅線を入れて上から押しつぶすタイプの圧着です。
クローズバレルはあまり細い導線を使うには向いて無いため1mm以下の導線にはあまり使用されません。(細いと抜けやすかったり、切れやすかったりするためです)
上記の図にあるインデントクリンプクローズドバレルとコンファインドクリンプクローズドバレルは正式な名前かどうかわかりませんが、インデントクリンプクローズドバレルは一部のみど真ん中を押しつぶして烙印みたいにする方法です。コンファインドクリンプクローズドバレルは丸くなっている所をを全体的に力で押しつぶすような感じです。力が入る圧着機であればどちらでも同じですが、ほとんどペンチみたいな簡易圧着機であればインデントクリンプクローズドバレルの方が圧力をかけて潰す所が小さいため、小さい力で圧着できます。

一括圧着

コネクターに線を差し込む所があって、そこに線を通して万力のようなもので力を加えると圧着されるものです。(まあ万力じゃ力のコントロールが難しいので専用の工具があったりします、が、アマチュア的には万力でやる人はやります)

これはプラットケーブルだとかHDDの電源ケーブルで良く使われています。ただ正式な圧着工具は高いし代わりの工具が売られて無いので対象外にします。(だから万力・・・)

工具選択について

メーカー純正の小さなオープンバレル工具について

工具に関してコネクターメーカーが出して来ている純正の圧着機で圧着すると次のように快適です。

  • コンタクトを差し込んでコンタクトが動かなくなる所まで閉める
  • その状態でコードを突っ込む
  • カチッとなるまで握る
  • 力を抜くと勝手に開く
    ほぼ失敗無く圧着出来ます。(失敗する要素がコードを突っ込む長さ程度になります)ただまあ高いです。

メーカー純正の大きなクローズバレル工具について

これもコネクターメーカーが出している純正の圧着機で圧着すると、工具自体が大きいとか、2段式テコとか油圧とか使って居て力をあまりかけずに圧着が出来たりします。

アマチュア的工具

メーカー純正の工具を使うと失敗は少なくなりますし、なりより信頼性が高いです。ただまあ高いです。

そこで安い工具を探すわけですが・・・
一般論として、小さなコンタクトを圧着するには工具の精度が問題になります(芯線の直径が0.3mm AWG32とか)。逆に大きなコンタクトを圧着する大きな力が必要なので二重テコ構造とか油圧式とか電動式とか欲しくなります。筋肉ムキムキでトレーニング代わりに圧着してやるという人はかまいませんが。
ただduet3で使われているモレックスの2.45ピッチコネクターは圧着が難しいというほど小さくなく、JST VHはとても圧着がしやすいサイズです。また電源端子の圧着端子は裸端子であればメーカー純正品の圧着道具が破格の値段(といっても4千円台ですが)で入手できます。

以下の説明ではエンジニアのPAD-11とニチフ NH69をベースに書いてあります。

ステッピングモーター配線圧着

Avalontechの高トルクステッピングモーターに使われているケーブルはわかりませんが通常タイプのステッピングモーターのコードはAWG22でした。
ケーブルに流せる電流については [AWG 導線のサイズと許容電流について] https://www.batteryspace.jp/html/page28.html 等をみてください。

duet3に付属のコネクターに関してですが写真で見る限りAWG20かそれより太いケーブル用のコネクターに見えます。そのためステッピングモーターに付いていたAWG22のケーブルを圧着するのは仕様上できません。(アマチュア的にはくっつくかもしれませんが)

そこで適合するコネクターを購入します。duet3のステッピングモータ端子はJST VHコネクターと互換性があるという事なのでコンタクトとして日圧(JST)のSVH-21T-P1.1を選びました。AWG #22~18が使えるようです。型番でgoogleと結構売っている所が見つかります。
http://akizukidenshi.com/catalog/g/gC-12819/ 秋月電子 SVH-21T-P1.1
秋月のページへのリンクはリロードすると見えるようになります。
また秋月電子は新型コロナの影響により店頭では待たされます。通販を使うか商品購入リストを作成して店頭に行くようにしてください。
http://akizukidenshi.com/catalog/contents2/coronavirus.aspx

付属してきたハウジングもコンタクトと合わない可能性があるためハウジングも購入してください。
4ピンはVHR-4Nになります。
http://akizukidenshi.com/catalog/g/gC-12813/ 秋月電子 VHR-4N

安価な工具としてはエンジニアPA-21, PA-20が使えるそうですが、私は持って無いし、それほど値段差があるわけでは無いので同じくエンジニアのPAD-11で圧着しました。https://www.engineer.jp/products/nipper/np05/item_01/pad-11 アマゾンで5500円ぐらい。
PAD-11はPAD-11, PAD-12, PAD-13という機種がありますが、これは先端部分のダイという部分を交換する事で本体は買い換えずに別のサイズにする事ができます。
それで今頃気が付いたのですが、今回圧着する範囲であればPAD-12でも出来そうです。しかも精度が要求される小さなコンタクトをサポートしない分安くなっているようです。(アマゾンで5200円ぐらい)
ちなみにPA-21はアマゾンで4200円ぐらい。
あとHOZAN P-706の2.0Hでも正しく圧着できました。(アマゾンで4200円ぐらい)

PAD-11の2.2の所に入れて芯線を付けたあと、被覆用の所はペンチ等で水平になるまで広がっているのを押さえてから同じく2.2の所に入れて圧着しました。
すごく慣れが必要ですが、なんとか次のように圧着できました。ただまあ純正圧着機に比べるとイマイチという気がします。この手の工具は仕事で使うようにはできていないので、これで作った物を売ったりしない方が良いと思います。
PAD-11
慣れるまで何度か失敗しましたが成功する挿入方法、微妙な位置等がわかれば失敗しないです。そのあたりは書きたいなあとは思うけれどしんどいなあ。
それでも圧着後の写真でわかるでしょうか。緑の方をみればわかると思いますが、少し後ろに曲がっています。これは戻さないとコネクター(ハウジング)に入りません。
まあ、圧着としてはかなりうまく出来ているので曲がっているのを戻せば良いだけです。
あとコンタクトの仕様ではAWG22が使えるという事になっていますが、もう少し太いコードを買った方が圧着はしやすいでしょう。例えばAWG20, AWG18
いくつかノウハウ・・・

  • 芯線側を圧着するときはコネクター部に近い所を少しだけ(0.5mm)圧着機から出してやると曲がりが少なくなる
  • 圧着機にピンを刺して軽く握っている状態でピンが工具に対して垂直になってない時は、その状態でピンを垂直になるように調整する
  • 銅線側の圧着は力を入れてやること
  • 被覆側の圧着はゴリっというように曲がった音がした時点で力を緩めること。思い切りやると潰れます

もう少し安い工具という事で試しにIWISSのIWS-2820Mというのを試してみました。


アマゾンで2,180円 https://www.amazon.co.jp/dp/B07F86192R
ダイス部分の精度は良さそうです。リミットスイッチ(次章)も正しく圧着できました。
少し工具自体の雑さは感じます(中国メーカーの中国製)が圧着自体は問題無さそうです。
エンジニアのPADS-11,12、PA-21, PA-20が高いと思う場合は、これが良さそうです。

リミットスイッチのコネクター

このコネクターはモレックスのK 254シリーズです。それの互換品がマルツにありました。
モレックスのコピー物は世の中にいっぱいあります。まああまりオススメできません。


手持ちがあったのでPAD-11で圧着してみました。PAD-11の1.9を使ってきれいに圧着できました。
中国製のSN-28Bはさすがにムリみたいです。

電源用端子の圧着について

duet3の写真で見た被覆付き圧着端子は被覆が付いているためペンチ型の圧着機で圧着するのには相当な握力が必要です。

被覆無しにすれば安い圧着機(圧着ペンチ)でも良いと思いますが、この際、ちょっと良い工具を買った方が幸せになると思います。

裸端子 (少し高い工具)

Y_H_2
裸といっても絶縁したければヒシチューブを被せてドライヤーで暖めれば完璧です。
また TIC 0.3-BLU等を使う方法があります。なかなか100個で売ってくれる所は少ないのでヒシチューブでいいような気がしますが。
https://www.yodobashi.com/product/100000001003987888/
こういうのを使う場合はコネクターを圧着する前に先に入れておかないと後悔してtwitterに投稿したくなります。

工具はニチフの純正が破格であります。
銅線用裸圧着端子・スリーブ用圧着工具 NH69 http://www.nichifu.co.jp/j/pickup/NH69_075.html
秋月電子で4,100円でした。

端子はこのあたりから。 https://www.monotaro.com/g/00003120/
線面積(SQ) Y (Y型) - 端子の穴のサイズ 長さというフォーマットになっています。
例えば1.25 SQの Y型の 4mmネジ穴、長めであれば1.25Y-4Lです。

付属の電源用ケーブルにはケーブルに記述がありました。ケーブルの外側に2×0.75mmと明確に書いてあります、つまり0.75SQです。
4mmネジ用のY端子であれば0.75Y-4になります。googleで検索するときは"ニチフ 0.75Y-4"等で検索してください。

NH69で圧着した例を入れておきます。手持ちの関係で0.75-3.5ですが。


しっかりした圧着でダイスもしっかり磨かれていて、これは買いです。

ニチフのサイトに具体的な圧着方法が載っています。
http://www.nichifu.co.jp/j/information/lecture01.html 上の方にページ切替があります。

被覆付き圧着端子

被覆の上から圧着するタイプの圧着端子です。そのため、どうしても圧着に力が必要になり工具が高くなってしまいます。
そのため1つ前で紹介した裸圧着端子にヒシチューブ等で絶縁する方法をおすすめします。

duet3の写真で見た被覆付き圧着端子はCE1, CE2というものです。これは使い勝手も悪く見た目もイマイチなので日本でよく使われてるタイプの被覆付き圧着端子にしたほうが良いと思います。

[絶縁被覆付圧着端子(Y形)先開形] https://www.monotaro.com/g/00021894/

ネジ 4mmでU型 1.25SQのが TMEV 1.25Y-4M-RED この赤はHOZAN P-743に付いているカラーペンキ(1.25SQ) で合わせておくと間違わなくなりなります。
ネジ 4mmでU型 2SQのが TMEV 2Y-3.5-BLU この青はHOZAN P743に付いているカラーペンキ(2.0SQ)で合わせて置くと間違わなくなります。

その端子を色んな工具で圧着して比較したサイトがありました。
「絶縁被覆付圧着端子の工具別圧着形状比較」 https://ameblo.jp/holycater/entry-12583026482.html
を見るとHOZAN P-743は7500円程度にしては優秀ですね。

絶縁被覆付きは綺麗で曲げにも強いのですが工具に7500円は高いかもしれません。
・・・そもそも圧着後の線は動かさないのが基本です。動かしても良いように設計されているのはバネどかゴムとか付いているものです。

裸端子 (電工ペンチ)

電工ペンチ中には絶縁被覆端子が圧着出来ると言い張っている奴もあるようですが、やはり握力がかなり必要だと思います。
逆に裸圧着端子はそれほど力を入れなくても圧着できるようです。ただ信頼性はイマイチな気がしますが工具がメチャ安いのでどーしてもという方はどうぞ。

端子は[裸端子] で紹介したのと同じです。

電工ペンチは 次のサイトで・・・ただし裸端子が圧着出来る物を選ぶ事
[おすすめの電工ペンチとは?電工ペンチの特徴や選び方を紹介!]


どれを見ても地雷感しかない。私もFA106ともう1本なんか持っていますが、ネジカッター便利だねーという程度にしか使って居ません。安いのもあるのでネジカッターが欲しい人はぜひw。まあ安いので1枚ぐらいはいいかもしれません。FA106で0.75Y-3.5を圧着してみました。0.75はFA106には無いので1.25を使ってやりましたが、まあくっついているようです。ただ圧着範囲が多き過ぎます。1.25サイズにしても大きいです。オススメしませんw。他の製品だと違うかも知れませんが。

コネクターメーカの資料を読んでみよう

例えばJSTのVHシリーズ情報は https://www.jst-mfg.com/product/detail.php?series=262 です。
[取扱説明書] をダウンロードするには氏名、会社名、メールアドレスの入力が必要ですが、まあ会社と無関係でも良いと思います。

まあこの説明はプロ用なのでアマチュアが出来ない事もありますが参考になります。

ストリップの長さ:被覆をむく長さです。コネクターメーカーの指示に従いましょう。
被覆をむく際に被覆が伸びて結果的にストリップ長が短くなる場合があります。そういう場合は大目にストリップ長を作って後から芯線を必要な長さに切ります。もちろんバラバラに芯線が切れますのでゴミ袋の上で作業しましょう。(バラバラに芯線が切ると工具に芯線が残る事もあります。それを避けるには大目に被覆をストリップさせて、必要な長さ分までストリップ出来たら、その状態でカットします。そうすると細かな芯線のゴミは出ません)

クリンプハイトの説明は工具が違うのであまり参考になりません。逆に圧着機の資料を読みましょう。
端子テスト結果
PA-21 https://www.engineer.jp/product/pdf/PA-21.pdf
PAD-11 (PADシリーズ) https://www.engineer.jp/product/pdf/PADseries.pdf
マニュアル類が見つからない。

インシュレーションバレルの圧着状態 簡易圧着機で力任せにやると皮膜を押しつぶし、下手すると芯線に傷を付けてしまいます。芯線に達するほどやってしまうとコードが動いた時に金属疲労で切れていきます。

インシュレーションバレルの圧着状態の確認 破壊検査になるので製品として使用できなくなりますが、したほうがいいでしょう。

圧着外観はかなり参考になります。特に芯線の位置が大事です。が・・・専用工具でないと難しいかもしれません。

というように一通りコネクターの資料を見ておく事が大事です。

やっぱりムリという場合は・・・工場に出そう

工費はPBのハーネス加工のページ https://pcb-center.com/page_info.php/pages_id/61
にある[ハーネス製作費用の具体例(PDF)] /https://pcb-center.com/images/pdf/harness.pdf
を見るとかなり安いようです。

製作例1の所にある例では10個の圧着を含む加工で単価200円, 150個発注というような例が載っています。
この中には材料費も含まれていて材料費を概算すると:XHP-5 10円×2, SXH-001T-P0.6 2円×10, AWG26の単線4cm×10=40cm 単線の費用は無視出来るので0とします。まあ量を買えばもう少し安くなるかもしれないが材料費が大体 40円。
つまりこの規模であれば加工費が大体 160円程度 / 10個

製作例2は本数が10本という例
単価920円, 10本 = 9,200円。ピン数は8×2=16ピン, XAP-08V-1 20円, SXA-001T-P0.6 6円×8, ZHR-8 8円, SZH-002T-P0.5 33円×8, ワイヤー 10cm×8 誤差なので無視。合計1本あたりの材料費 340円。工費は16ピン圧着で580円。

こんな費用でやっていけるの?

TODO

少し細い線を強引に圧着するバッドノウハウ [なんとなくカシメている人必見!細い線へギボシを圧着する方法!] https://www.youtube.com/watch?v=NccQkWDydDI まさにアマチュア的解消方法。
面積(SQ)は2倍になりますが直径に換算すると√ ( 面積 ÷ π ) × 2 なので 1.6倍程度ですので注意してください。

[コネクタの自作!電子工作の圧着工具と圧着方法] https://電子うさぎ.com/archives/397

メッキ無し線の圧着は基本禁止。(だからと言ってハンダメッキは絶対ダメ)
ただ割と太めのケーブルではメッキ無しの圧着が現実的に行われていて太めならば問題無さそうですが、私はなるべくコードを変えてでもメッキ無しの圧着は避けています。
この文章に張ってあるメッキ無しの圧着写真は300W電源装置に付いてきた電線をサンプルにしたもので・・・全部撮り直そうかなあ。
ともかく裸圧着端子で使う程度の1.25SQ圧着であればメッキ無しの芯線を圧着して良いというエビデンスというかメーカーの資料があれば誰か教えてください。
[JST 圧着加工の注意事項 PDF] https://www.jst-mfg.com/product/pdf/caution1.pdf

電線は供給側の電流が流れても燃えない程度の太さが必要。もしショートでもすれば電線が燃えます。

コンタクト、ハウジングといった用語の説明

電線はメッキされた物を使うこと。大きな圧着端子だと生の導線でもかまいませんが基本、錫(Sn)メッキ、まあ金でも銀でもプラチナでもいいですけど・・・されたコードを使う事。銅だとすぐ錆びてきて色々問題が出てきます。

ハンダメッキは禁止です。海外の内部配線用のコードにはハンダメッキコードが売っていたりします。機器内のハンダ配線にはハンダの食いつきがメチャメチャ良く単線のように扱えるので工作する人には人気があります。ですが単線に見えるような電線は圧着すると根元からポッキリいきます。

進捗

大変だなあ。とりあえず完成と言えるまで80%ぐらいか。
横道に逸れるのが良くない。
プロ用の工具を使っても何ページも必要な圧着です。それでもノウハウ的な説明が足りません。
加えて純正外の工具を使って説明しているものだから膨らみます。

以下は消してしまうかも知れないので、コメントを入れる人は引用コピーしてコメントしてください。
でもあくまでも私の感覚だけど。

Avalontechのc-beanキットはduet3を使うようになって少なくともケーブル圧着がキット付属の工具のみで完成することが出来なくなってしまいました。

私が思うにケーブルは業者に頼んで作って貰った方がいいような気がします。

  • ステッピングモーターへのduet3コネクター圧着済みケーブル ×3 – 出来れば5Aは通せるケーブル
  • リミットスイッチへのduet3コネクター圧着済みケーブル × 3
  • DC24V用の両端YまたはO端子圧着済み (これはニチフ NH69で作ってもよい)

上2つは紹介したPBのハーネス加工に頼む手がありそうです。
普通にAWG22の4芯シールド線買うとメチャクチャ高いのですがAdvantech社は良くあれを付けて出すなあ。と思うので何か手があると仮定します。
1ピンあたりの圧着費は製作例2ぐらいの費用がかかるとします。根拠としては加工するのがシールド線のためかなり加工が大変です。大体 50-100本は注文するとします。
ケーブル以外に必要な材料はコンタクト4本とハウジング1個。材料費は大体40円ぐらい。
加工費は580円÷16を使って1個あたり36円。1本のケーブルを作るには工費36円×4=144円ぐらいになると思います。(ちょっとキツイかもしれないので200円とします)

ケーブルを持ち込んで、材料費が40円、工費が200円。まあ50本も注文すれば工費は納まりそうな気がします。逆に個人が5本程度で頼めば工賃 5,000円も出せばやってくれるかもしれません。この場合2種類の加工パターンがあるため10,000円ぐらいになりそうです。

どうせ加工を頼むのであればシールド線は全部繋いでリードを出してCNCのアースに繋ぎたい所です。がかなり工費が上がりそうな気がしてきました。
(アースの無いシールドは飾りとは言わないけれどアースしないと弱いです。ステッピングモーターのノイズが近くを通っているリミットスイッチのケーブルに乗ります)

コンタクトを買う際の注意点

コンタクトは一枚の金属板をカットして曲げて製造されます。それが利用者に届けられるのですが、金属で繋がったまま納入される物があります。

こんな感じです。
jst-k
これは根元から切ればいいので簡単に使う事が出来ます。(注意:完全にスレスレで切るのはメーカーによっては推奨されていません。0.5mmほど残すのが正しい切り方です)

問題は・・次のような奴です。


根元ではなく本体の所で連結されているのに注意してください。
これはコードを入れると自動的に圧着してくれる装置で使う物で圧着後カットを機械が行うようになっているものです。
コネクター製造メーカーには、板金のムダが省け加工装置も工程が省略され、コネクターを使う顧客も廃材が少なくなるとか自動圧着が楽になるとか良い事ばかりです。
工場で大量に使用されるため恐ろしく値段が安いことがあります。
しかしこれを手動工具で圧着するとなると、切り出しは困難です。(やめたほうが良い・・・が、そこに山があれば登るのが登山家みたいなノリで切れ味の良いニッパで切ったり、ヤスリがけとかすれば使えるようです)
結果として全部ゴミになります。
これはわかっていて買った奴ですが、こんな風に売られているのもあるので注意が必要です。
モノタロウ: Molex 圧着端子コンタクト メス KK 396シリーズ https://www.monotaro.com/p/4078/8878/
これはまあ何とか切って使えるレベルですがオススメしません。

ちなみに、このコンタクト、元は1枚の板から作ります。プレスカットで複雑な形状に切り取り、折り紙のように折ったり型にはめて引っ張ったりして作ります。そうやって見ると芸術的でしょう。

工具パーツの入手先

ヨドバシカメラ

https://www.yodobashi.com
家電量販店ですが、トラスコ中山が扱っている商品を殆ど通販サイトに載せています。そのため殆どの工具類が揃います。その上、価格もポイントを含めると安いです。一度ヨドバシの検索窓に工具の型番を入力してみてください。即納できる商品が少ないのが残念ですが通販で買ったり、店頭受け取りにしたりできるのが良いです。それにやはり安い。

秋月電子

http://akizukidenshi.com/catalog/top.aspx
工具、コネクター共に少ないですが扱っています。実店舗を持つ割にその価格設定はかなり安く、秋月で見つけられる物は秋月で買おうという気になる物です。

FA UBON


電気工事系の人が使っているスズデンの通販サイトです。

アールエスコンポーネンツ


電子部品の通販サイトです。最低発注量が多いとか価格が高いとか色々アレなんですが、在庫ありならば、即日発送でかなりの可能性で在庫を持っているのが特徴です。

モノタロウ

https://www.monotaro.com/
商品知識に難があり商品説明とか見ると?が出てきたりしますが、在庫があれば即日発送。で広範囲な商品を扱っています。コネクターの扱いもかなりしっかりしています。が特殊なのは5日ぐらいかかるようです。

digikey, mouser, chip1stop

https://www.digikey.jp https://www.mouser.jp https://www.chip1stop.com
ガチの電子部品サイトです。個人でも使えますが、わかっている人向けです。

Amazon


工具を探すならアマゾンかもしれません。ただ、偽物とか何度も返品を受けた物とか数を買えば出会います。
コネクター類は高いし下手すると偽物だったりします。

利点は安い物が手に入ること、少額でもアマゾンプライムで無料配送。納期が明確。という部分でしょうか。

この文章のライセンス

改変、商用を問わずどのように用いても配布してもかまいません。

「いいね!」 4