【取扱説明書】TAIYAKI Ver1.0

射出成形機 TAIYAKI Ver1.0の取扱説明書です。
金型の設計方法、材料ごとの成形条件などは別にトピックを用意します。
質問、指摘事項は専用トピックへお願いします。

※超重要※ 安全に関する注意書き ※超重要※

・成形機は使用中(使用後数時間も)ノズル及びシリンダ周囲が高温になります。
     安全の為、耐熱皮手袋の装備を推奨いたします。
・クランプなど、高いトルクで動く可動部分があります。
     指を挟まぬよう気を付けて作業してください。
・上記2点を守るために、周囲に人が近くにいない状態で使用してください。
     小さな子供の手の届かないところで設置、使用をお願いします。
・家庭用交流電源に接続しますが、感電防止の為、アース線の接地をお願いします。
・プラスチックのペレットが床に散乱した場合、踏んで転倒する危険性があります。
     ペレットの取り扱いに注意してください。
・金型は重量物です。落下の際にけがをする恐れがあります。
     取り扱いに注意してください。
・下記条件で火災、感電の恐れがあります。該当無きよう環境を整備してください。
          ・火薬類、危険物、可燃物、可燃性ガスが近くにある環境
          ・周囲に水がある環境
          ・カーテン、カーペット、段ボールと直接接する使用環境
          ・裸火が存在する環境
          ・雨ざらし
・成形機より、後述する初回空焚き時の少量の煙及び、
     運用時の溶融樹脂からの臭いにより気分が悪くなる場合があります。
     換気の良いところで使用してください。

■TAIYAKIの部位名称

■動作原理

     射出成形とは、加熱溶融させた材料を金型内に注入し、
     冷却・固化する事によって、成形品を形作る方法です。
     射出成形では複雑な形状であっても部品を、
     連続して素早く大量に製造することができます。

     参考
     成形品ができるまで|日精樹脂工業株式会社

■基本動作

①材料の投入
     ハンドル1を上にあげ、材料投入皿とピストンに隙間ができたところに
     ペレットを小さなカップですくい、適量投入する。
     (投入量については材料投入皿より下になるようにする)
     投入した材料は隙間が大きいため、ハンドルに力をほとんど加えず下におろしてすぐ上げ、
     材料の隙間を小さくしておくと溶融状態が良くなる。

②樹脂の射出
     ハンドルを下すと溶融した樹脂がでてきます。
     最初は無着色の材料で練習するとわかりますが、
     ペレット溶融には時間が必要です。

     金型に射出する場合は溶融した樹脂が必要です。
     パージなどただ捨てることが目的の場合は、固体分交じりでも問題なく、
     材料交換時は固体分交じりの方が効率が良くなります。

■目次

1.成形の準備

2.成形手順

3.片付け

1.成形の準備

①必要なもの

     ・金型
     ・成形材料(乾燥については後述)
     ・(パージ材)
     ・ペンチ等
     ・皮手袋
     ・計量カップ

②材料の事前準備

     プラスチック材料は時間経過で湿気を吸っていく性質があります。
     材料ごとに大小あり、おおよそ下記の認識です。
          PP:基本的に不要
          ABS、PS、PVC:外観の為に乾燥をすることが望ましい
          PA6、PMMA:必ず乾燥が必要

     湿気を吸った材料で成形した場合、外観不良や強度低下の原因となります。
     工場においてはホッパードライヤーなどで乾燥させて使用します。

     大体の樹脂が下記条件にて乾燥が可能です。
     80℃ 4時間以上
     上記条件に近いものとして、フードドライヤーを提案します。

2.成形手順

①電源投入と温度調整


※※重要※※ 組み立て後、1回目の電源投入に関して ※※重要※※

組み立て後、1回目の電源投入時に一回空焚きを行ってください。
設定温度を220度前後にし、無事ヒーターが作動していることを確認できた場合、
そのまま30分程度空焚きを行ってください。
この際に、残った切削油や、サーマルグリスの成分が加熱され、少量の煙が出てきます。
換気の良く効いた部屋で実施をお願いします。
煙やにおいが出てこないことを確認後、使用をお願いします。

1-1 電源投入方法

     本機はコンセントの抜き差しで電源のON,OFFを行います。
     スイッチ付き電源タップを使用すると便利です。

1-2 温調器の使い方

     1-2-1 温調器各部位名称

     1-2-2 温度設定方法

          1-2-2-1 温度設定ボタンを押します。
               設定温度表示が細かい点滅状態になります。

          1-2-2-2 数値変更ボタンを押し、数字を設定したい温度に変更します。

          1-2-2-3 もう一度温度設定ボタンを押すことで決定されます。
               あとは、自動的に目標温度になるように機械が調整してくれます。

②材料交換

以前の材料が残っていて、変更が必要な場合は材料交換を行います。

2-1金型置台に捨て板を設置
     紙でも問題ないので金型置台に捨てる樹脂を受ける板を用意する。

写真の場合は段ボールを適当に切ったものです。

2-2 前回材料のパージ

     パージ:シリンダ内樹脂を使用することなく射出して捨てること
     本体の電源を入れ、シリンダ温度が材料に合わせた温度まで上がったところで
     材料が融けるまで数分置き、材料をパージしてください。

2-3 材料交換

     2-3-1 交換準備
          材料交換前と交換後の材料の溶融温度を比較し、
          溶融温度の高いほう側に設定温度を合わせます。
          設定温度まで到達したところで、1~3分程度置きます。

     2-3-2 材料交換
          材料を投入し、速やかにパージします
          材料が十分置き換わるまで、これを繰り返します。

③金型セット準備

成形に入る前に金型セットの段取りを行います。
金型位置合わせ以降金型をノズルに押し当てる際には、
ペンチ等を用いてノズルからの樹脂垂れを除去してから
金型押し当て動作を行ってください

3-1 捨て打ちの為にひいていた受け板を撤去する
3-2 金型位置合わせ
3-2-1 左右方向位置決め金具を緩める
3-2-2 金型位置を決める
3-2-3 左右方向位置決め金具を締める
3-2-4 クランプ2調整

④捨て打ち

成形が可能なったところで、実際に金型をセットして成形の条件を整えます。
最初は金型の温度が低いため、できるだけ素早く射出します。
金型を開くとほとんどの場合、製品部分に充填が完了しきれていない状態になるはずです。
何度か捨て打ちを行い、金型の温度が上がるにつれて、
完全に充填できるようになれば、量産準備完了です。

何回か射出してみて、完全に充填できない場合、
下記が考えられます。

・設定温度が低すぎる
・射出サイクルが早すぎる(溶融樹脂が十分にできる時間をおかず射出)
・そもそも樹脂の流動性が低いグレードで、本機に適さない
・型設計が悪い(製品が大きすぎる、薄肉すぎる、ガス溜りができる形状)

条件を変えてトライし、量産条件を整えましょう。

⑤量産

量産条件が整ったところで量産開始です。
注意点としては下記のようになります。

・成形サイクルを一定にする
早すぎると、樹脂が融け切らずショートする、遅すぎると樹脂が劣化する。
・材料を過剰投入しない
滞留による樹脂の劣化、射出圧が一定しないなどのトラブルの元。
・金型破損の有無の確認を行いながら量産する
3Dプリント型は寿命が短い(1~100ショット程度)ので注意する。
・理想の使い方は1ショット分の溶融樹脂が入ったシリンダに、
次の1ショット分のペレットを投入した直後に射出することです。
全部溶融樹脂の場合、ピストンに溶けた樹脂が抱き着く現象が起こり、
圧力がかけにくくなります。

3.片付け

①材料交換

必要に応じて材料を交換します。
色付き材料で、次も別色の色付き、または透明にしたい場合、
間に無着色の標準の材料を挟むと色付き材料の無駄が少なくなります。

一例
ABS(黒)→ PMMA(透明)
シリンダー温度を240度に設定
ABS(黒)→PP(ナチュラル)に材料交換
(PPナチュラルはシリンダー洗浄剤として安価で使いやすいです)
PP(ナチュラル)→PMMA(透明)に材料交換
着色樹脂から透明材への交換は透明材が非常に多く無駄になるため、
間に洗浄用の材料を挟んだほうが良いです。

②シリンダーを空にする

シリンダー内に多くの樹脂を残すと、分解ガスや焦げのトラブルの懸念があるので、
クランプ1のハンドルを下げて、樹脂は排出しておきましょう。

③電源OFF

最後にコンセントからプラグを抜いて終了です。
コンセントを抜いても1時間以上シリンダが熱い状態が続くので、
本体の取り扱いには注意してください。