安全面に配慮してポリカーボネートとアルミフレームで製作したエンクロージャーが,どの程度の防音性能を有しているのか簡易的に検証しました.
-
実験項目
エンクロージャーでマシン周囲の騒音は変化するか -
使用機材
- 検証マシン:MaRko
- エンクロージャー:エンクロージャー790790縦2段積み扉1枚仕様
外寸:790×790×1580mm
内寸:750×750×1560mm
- 測定機器:MothorTool MT-EN1S デジタル騒音計(分解能0.1dB)
- 測定記録:スマホ
-
切削条件
- 騒音を測るためだけなので平面切削
- Φ6 R3 2枚刃ボールエンドミル
- 回転数(トリマ設定)約10000rpm(1)
- Z方向切り込み4mm
- 横方向切り込み3mm
- 送り速度500mm/min
(騒音試験用にボールエンドミルだと厳しめな条件を設定)
-
実験方法
1.転がっていた木片をMaRkoに取り付け
2.マシンから約50cm程度、地面から30cm程度離れた場所にデジタル騒音計を設置
3.実験前の環境音測定
4.エンクロージャー無しでDuet起動音、トリマ起動音、切削時の音を測定
5.4と同様にエンクロージャーありで音を測定 -
結果
- 騒音計をスマホで録画
- 記録機能がないのと値の上下が激しいのであくまでも人間の主観で平均値を結果としました.
- ビビり等々で一瞬音が大きくなるのはひとまず無視しました.
環境音:42dB
参考資料
音量 | |
---|---|
120 dB | 飛行機のエンジン近く |
110 dB | 自動車のクラクション(前方 2 m) |
100 dB | 電車が通るときのガード下 |
90 dB | 大声による独唱,騒々しい工場内 |
80 dB | 地下鉄の車内(窓を開けたとき),ピアノ |
70 dB | 掃除機,騒々しい事務所 |
60 dB | 普通の会話,チャイム |
50 dB | 静かな事務所 |
40 dB | 深夜の市内,図書館 |
30 dB | ささやき声 |
20 dB | 木の葉のふれ合う音 |
-
分析
- エンクロージャーありなしで約10dB程度差
調べたところデシベルは対数基準な為10dB変わると人間の聴覚では3倍大きい音に感じようです - 24V電源のファンの音がほぼ無音レベル
- エンクロージャーなしではなかった低振動がエンクロージャーありでは発生[動画を参照]
→MaRko本体のビビり?ポリカーボネート板が振動してる音?(時間足りず未検証) - 小部屋でドアを閉めて実験したので音が反響して大きくなってる可能性あり
- 組立者にやさしくない構造なので角の3wayキューブ周辺に隙間が多数
→今後改善予定 - 扉面も隙間だらけ
→磁石テープを4辺に取り付け、隙間をスポンジでふさげば若干防音性向上の可能性あり - マシンの下にスポンジを敷いていていても床経由の振動がかなり強い
- エンクロージャーありなしで約10dB程度差
-
感想
- 防音性はある程度あるものの現状はただのポリカーボネート板なので内部に音を閉じ込めてるだけのようです.ビビり等場合によってはポリカーボネート板が共振して音が大きくなる可能性もあります.
- 防音性を求めるならば隙間を埋めたり吸音材やスポンジを内側に貼ることで性能向上する可能性あり
→今後時間に余裕ができたら検証したいです.