C-BeamMachine剛 Ver.1 組み立て説明

overview

このトピックは【C-BeamMachine 剛 Ver.1】のフレーム部分の組み立て説明です。

【Z軸がぐらぐらしないCNC(名前募集中)】は大別すると

  • X軸
  • Y軸×2
  • Z軸×2
  • 土台フレーム

で構成されています。

XYZ軸をさらに分解するとスライドするガントリーユニットとフレーム部分に分解できますが

  • Y軸とZ軸のガントリーユニットはまったく同じもの。
  • X軸のガントリーユニットだけ異なる形
  • フレーム部分は長さが違うだけ(最後に合体させる用にそれぞれにちょっと部品が付く)

となっています。

事前に準備すると良いもの

精度に大きくかかわる部分

以下の点は加工精度に大きく影響するので組み立てるときは意識しておいてください。

・XYZ各軸が垂直になるように組み立てる

フレームが斜めになっていると正方形に動かそうとしても平行四辺形になってしまいます。
フレームを取り付ける際はケガキ線やガイドプレートを活用し、都度ものさしで左右を測るなどして垂直を確認してください。

・ガントリーユニット、送りねじにテンションをかける

送りねじ(リードスクリュー)は二つのナットブロックにテンションをかけることでバックラッシュを無くしています。仕組みはこの図の通りです。
また送りねじをフレームに固定するシャフトカラーもしっかり先端で固定されている必要があります。
軸を組み立てたあと、手でガントリーユニットをガチャガチャしてみてガタつきがあるようならこの二点を確認してください。
組み立てた後、操作を失敗してガガガガッ!ってなってから精度が落ちたらここがズレちゃってる可能性があるのでその場合もチェックしてください。

0.事前準備

組み立ての際にガイドとなるケガキを入れておきます。
3Dプリンタを持っている場合はガイドプレートを作っておくことでケガキの代わりにすることができます。

ガイドプレートを使わない場合は
2060V-Slotリニアレール2本に先端から120mmの位置

C-Beamリニアレールの両端から17.5mmの位置(片方に0.5mmずらして17mmと18mmでもよい)

にケガキ線を引いておきます。

1.Vホイールの組み立て

使用部品名 個数(Vホイール1個あたり)
5mmベアリング 2
1mm精密シムリング 1
Vホイール 1

Vホイールの中で1mm精密シムリング5mmベアリングにサンドイッチされるように組み立てます。
精密シムリングを入れ忘れないように気を付けてください。
48個用意します。



2.ガントリーユニットの組み立て

2.1 X軸用のガントリーユニット

使用部品名 個数
ガントリープレート – 汎用型 2
Φ65 工具固定座 1
8mmナットブロック 2
1mm精密シムリング 4
偏心スペーサー6mm 6
スペーサー - 6mm 6
スペーサー - 9mm 6
Vホイール 12
ワッシャー 12
ナイロンロックナット 12
低頭ボルト M5 - 10mm 4
低頭ボルト M5 - 15mm 2
低頭ボルト M5 - 20mm 4
低頭ボルト M5 - 60mm 6
直角固定具(黒) 2

Φ65 工具固定座の下部に低頭ボルトM5-10mmを使って直角固定具を取り付けます。
スクリーンショット 2023-04-08 154803


ガントリープレート汎用型に背面から10mmボルト、正面から15mmボルトを使って取り付けます。15mmボルトはガントリープレートの単純穴に通し、背面からワッシャーナイロンロックナットで固定します。
ガントリープレートは表裏があるので向きに注意してください。



もう一枚のガントリープレート汎用型8mmナットブロックを取り付けます。
間にワッシャー1mm精密シムを挟むのを忘れないでください。


工具固定座を取り付けた方のガントリープレートのざぐり穴6カ所に60mmボルトを挿し、6mmスペーサーVホイール9mmスペーサーVホイール6mmスペーサーの順に通します。
ガントリープレートの穴が大きい方には6mmスペーサーではなく偏心スペーサーを差し込みます。
図では上の段が偏心スペーサーになっていますが、逆でも構いません。

8mmナットブロックを固定したガントリープレートで蓋をし、ワッシャーとナイロンロックナットで固定します。こちらも穴が大きい方が偏心スペーサーになるように向きを揃えてください。



2.2 Y,Z軸用のガントリーユニット

使用部品名 個数(1ユニットあたり)
ガントリープレート – 汎用型 2
8mmナットブロック 2
1mm精密シムリング 4
スペーサー - 6mm 4
偏心スペーサー6mm 4
スペーサー - 9mm 4
Vホイール 8
ワッシャー 8
ナイロンロックナット 8
低頭ボルト M5 - 20mm 4
低頭ボルト M5 - 60mm 4

X軸のガントリーユニットとほぼ同じです。
工具固定座を取り付ける必要がなく、ホイールが6カ所ではなく4カ所になっています。
同じものを4個作ります。



3.各軸の組み立て



3.1 X軸(Y,Zもほぼ共通)

使用部品名 個数
X軸用ガントリーユニット 1
C-Beamリニアレール1000mm 1
リードスクリュー1040mm 1
モーター固定座 2
低頭ボルト20mm 8
8mmボールベアリング 2
8mmシムリング 2
シャフトカラー 2
Tナット 16

作る軸に対応した長さのC-Beamリニアレールの先端に20mmボルトモーター固定座を取り付けます。


先ほど作ったガントリーユニットX軸用の8mmナットブロックに作る軸に対応した長さの8mmリードスクリューを通します。8mmナットブロックの固定を緩めて位置を調整しながらじゃないと通らない場合があります。 ナットブロックは軸が完成してから調整して締めます。


C-Beamリニアレールの開いている方からガントリーユニットを通します。
キツくて通らない場合は偏心スペーサーを回してVホイールを緩めてください。


リードスクリューの先端に8mmベアリング8mmシムリングシャフトカラーを通します。

反対側にも逆順でシャフトカラー、8mmシムリング、8mmベアリングを入れます。

後から他の部品を固定するためのTナットをC-Beamリニアレール溝に入れます。
図を参照して必要数を入れてください。

Tナットを入れたらモーター固定座を取り付けて蓋をします。


ロックカラーを付属のイモネジで固定します。
リードスクリューがガタつかないようにロックカラーを端に寄せて調整してください。
リードスクリューは片方は16mm飛び出し、もう片方はまったく飛び出ないようにします。



3.2Y軸×2

使用部品名 個数(1ユニットあたり)
Y軸用ガントリーユニット 1
C-Beamリニアレール500mm 1
リードスクリュー540mm 1
モーター固定座 2
低頭ボルト20mm 8
8mmボールベアリング 2
8mmシムリング 2
シャフトカラー 2
Tナット 4
低頭ボルト8mm 4
直角固定具(黒) 4

長さとTナットを入れる箇所以外はX軸と同じです。


Tナットに8mmボルトを使って直角固定具(黒)を4個取り付けます。C-Beamリニアレールの両端に固定します。同じものを2本作ります。



3.3Z軸×2

使用部品名 個数(1ユニットあたり)
Z軸用ガントリーユニット 1
C-Beamリニアレール375mm 1
リードスクリュー415mm 1
モーター固定座 2
低頭ボルト20mm 8
8mmボールベアリング 2
8mmシムリング 2
シャフトカラー 2
Tナット 4
低頭ボルト8mm 4
直角固定具(黒) 4

長さとTナットを入れる箇所以外はX軸と同じです。


Tナットに8mmボルトを使って直角固定具(黒)を4個取り付けます。C-Beamリニアレールの端から60mm程度の箇所に仮止めしておきます。


各軸の組み立てが完了したら、改めて8mmナットブロックにテンションをかけて固定、ロックカラーでガタつきが無いように固定 を確認してください。



4.土台フレームの組み立て

使用部品名 個数(1ユニットあたり)
2040V-slotリニアレール920mm 2
2060V-slotリニアレール500mm 2
2060V-slotリニアレール460mm 2
垂直ジョイントプレート 4
キューブコーナーコネクタ 4
ブラケット-ダブル 8
Tナット 44
差し込みTナット 16
低頭ボルト8mm 36
低頭ボルト10mm 8
低頭ボルト15mm 16

2060V-slotリニアレールの溝3列のうち、上2列にブラケット-ダブルを図のように固定します。


ブラケット-ダブルに8mmボルト差し込みTナット仮止めしておきます。

レールの上2列にTナットを入れ、ブラケット-ダブルを仮固定します。固定位置はケガキライン(先端から120mm程度)を目安に仮固定しておきます。


2040V-Slotリニアレールの両端にTナット10mmボルトを使用して垂直ジョイントプレートを仮固定します。


今作った2040S-Vlotリニアレールの上の溝にTナットを6個入れておきます
15mmボルトを垂直ジョイントプレートに通し、2060V-slotリニアレールの端面のタップ穴に固定します。


2060V-slotリニアレール460mmの一番上の列のタップ穴に15mmボルトを使ってキューブコーナーコネクタを取り付けます。
8mmボルトを使って土台フレームに仮固定します。あらかじめ入れたTナット6個のうち、一番端側のTナットを使用します。
仮固定位置は2040V-slotリニアレール920mmの先端から100mm程度の位置を目安に仮固定してください。
反対側にも対称となるように同じものを取り付けます。


再び2040V-Slotリニアレールの両端にTナット10mmボルトを使用して垂直ジョイントプレートを仮固定します。


土台フレームを閉じる前に各レールの上の溝にTナットを入れておきます。
入れる箇所と数は図を参照してください。

Tナットを入れたら15mmボルト垂直ジョイントプレートに通して端のタップ穴で固定します。

先ほどと同じく15mmボルトと8mmボルトでキューブコーナーコネクタを取り付けます。


垂直ジョイントプレートが仮止めになっているので隙間なく垂直に差し込まれている状態でしっかりとボルトを締めます。
キューブコーナーコネクタで仮固定されている2060V-slotリニアレール460mmはこの後調整するので仮止めのままです。

5.各軸の組みつけ

5.1X軸とZ軸合体

立てて作業するのは難しいのでX軸を横にして作業します。

使用部品名 個数
直角固定具(黒) 2
低頭ボルト-8mm 4
低頭ボルト-10mm(ガイドプレート用) 4
低頭ボルト-12mm 8
低頭ボルト-10mm 4
Tナット 2
2040V-slotリニアレール920mm 1

ガイドプレートがある場合は10mmボルトを使ってX軸にガイドプレートを取り付けます。


12mmボルトとX軸にあらかじめ入れてあるTナットを使ってX軸とZ軸を合体させます。
Tナットに12mmボルトを入れやすい位置でボルトを軽く通し、ガイドプレート、あるいは先端から17.5mmのケガキラインの位置で仮固定します。


2040V-slotリニアレール920mmの両端に8mmボルトとTナットで直角固定具黒を取り付けます。
先端の面を揃えて取り付けます。


8mmボルトを使ってZ軸の図の位置のタップ穴に取り付けます。
X軸のガイドプレートかケガキ線、2040V-slotリニアレール920mmの端面と直角固定具の側面を一致させて固定します。


使用部品名 個数
直角固定具(黒) 8
低頭ボルト-8mm 16

正面からみた図になります。
8mmボルト直角固定具黒を使用してX軸とZ軸を補強します。Z軸のガントリーユニットのタップ穴とX軸にあらかじめ入れてあるTナットを使用して固定します。

5.2土台フレームに組みつけ

使用部品名 個数
低頭ボルト-8mm 8

X軸とZ軸を合体させたものを土台フレームのブラケット-ダブルの間に置きます。
土台フレームの底面とZ軸の底面が一致する高さ、土台フレームの先端から120mmのケガキ線の位置で固定します。ガイドプレートがある場合はフレームの上に仮置きして位置決めをします。
固定には8mmボルト土台フレームにあらかじめ入れてあるTナットを使用します。


仮固定してあるブラケット-ダブルを緩め、軽く入れてある差し込みTナットをレールの向きに合わせ、スライドさせてZ軸に取り付けます。
位置がケガキ線、ガイドに合っていることを確認してダブルブラケットのボルトを締めて固定します。下の段のボルトが締めにくいですが頑張って締めます。

5.3Y軸組みつけ

使用部品名 個数
低頭ボルト-15mmボルト(テーブル厚み8mmの場合) 8
低頭ボルト-8mm 8

土台フレームにあらかじめ入れてあるTナット8mmボルトを使用してY軸を土台フレームに固定します。

6.補助部品、モーターの取り付け

6.1 ガイドプレートの取り付け(任意)

使用部品名 個数
120mmガイドプレート 2
低頭ボルト-8mm 8
差し込みTナット 8

ガイドプレートの穴に8mmボルトを通し、差し込みTナットを軽く取り付けます。
差し込みTナットがレールの溝に入るように向きを揃え、土台フレームに取り付けます。
差し込みTナットは緩める方向に少し回してから締めると固定しやすいです。
スクリーンショット 2023-04-16 153628

6.2 モーターの取り付け

使用部品名 個数(1カ所あたり)
低頭ボルト-55mm 2
40mmスペーサー 2
Nema23ステッピングモーター 1
カップリング 1

軸から16mm飛び出しているリードスクリューにカップリングを取り付けます。
55mmボルトをステッピングモーターに通し、40mmスペーサーも通してモーター固定座に取り付けます。モーターの軸のDカットとカップリングのイモネジの位置が合うように取り付けて、イモネジを締めて固定します。
4点固定座の場合は55mmボルトと40mmスペーサーの数が倍になります。

6.3 リミットスイッチの取り付け

リミットスイッチマウントを用意した場合は下記の部品で取り付けます。
マウントを用意しない場合は付属の小さいプレートで取り付けてください。

使用部品名 個数(1カ所あたり)
低頭ボルト-8mm 2
差し込みTナット 2
リミットスイッチ 1
リミットスイッチマウント 1



リファレンス

以下の素材を一部お借りしています。
CADデータ:OPENBUILDSパーツライブラリ
説明画像:Avalontechドキュメント