C-Beam Machine 剛 Ver.2 組み立て説明

overview

このトピックは【C-BeamMachine 剛 Ver.2】のフレーム部分の組み立て説明です。

【C-Beam Machine 剛】は大別すると

  • X軸
  • Y軸×2
  • Z軸×2
  • 土台フレーム

で構成されています。

XYZ軸をさらに分解するとスライドするガントリーユニットとフレーム部分に分解できますが

  • Y軸とZ軸のガントリーユニットはまったく同じもの。
  • X軸のガントリーユニットだけ異なる形
  • フレーム部分は長さが違うだけ(最後に合体させる用にそれぞれにちょっと部品が付く)

となっています。

事前に準備すると良いもの

  • 巻き尺、定規
  • ケガキ針(もしくは細めの油性ボールペン)
  • できるだけ水平な場所、アルミテーブルにする予定の場合作業面として先に買っておくと便利かも

精度に大きくかかわる部分

以下の点は加工精度に大きく影響するので組み立てるときは意識しておいてください。

・XYZ各軸が垂直になるように組み立てる

フレームが斜めになっていると正方形に動かそうとしても平行四辺形になってしまいます。
フレームを取り付ける際はケガキ線やガイドプレートを活用し、都度ものさしで左右を測るなどして垂直を確認してください。

・ガントリーユニット、送りねじにテンションをかける

送りねじ(リードスクリュー)は二つのナットブロックにテンションをかけることでバックラッシュを無くしています。仕組みはこの図の通りです。
また送りねじをフレームに固定するシャフトカラーもしっかり先端で固定されている必要があります。
軸を組み立てたあと、手でガントリーユニットをガチャガチャしてみてガタつきがあるようならこの二点を確認してください。
組み立てた後、操作を失敗してガガガガッ!ってなってから精度が落ちたらここがズレちゃってる可能性があります。

0.事前準備

組み立ての際にガイドとなるケガキを入れておきます。

C-Beamリニアレール2本
先端から160mmの位置にガイドとなる印をつけておきます。
この位置がZ軸を載せる位置になります。


1.Vホイールの組み立て

使用部品名 個数(Vホイール1個あたり)
5mmベアリング 2
1mm精密シムリング 1
Vホイール 1

Vホイールの中で1mm精密シムリング5mmベアリングにサンドイッチされるように組み立てます。
精密シムリングを入れ忘れないように気を付けてください。
44個用意します。



2.ガントリーユニットの組み立て

2.1 X軸用のガントリーユニット

使用部品名 個数
ガントリープレート – 汎用型 2
Φ65 工具固定座 1
8mmナットブロック 2
1mm精密シムリング 4
偏心スペーサー6mm 6
スペーサー - 6mm 6
スペーサー - 9mm 6
Vホイール 12
ワッシャー 12
ナイロンロックナット 12
低頭ボルト M5 - 10mm 4
低頭ボルト M5 - 15mm 2
低頭ボルト M5 - 20mm 4
低頭ボルト M5 - 60mm 6
直角固定具(黒) 2

Φ65 工具固定座の下部に低頭ボルトM5-10mmを使って直角固定具を取り付けます。
スクリーンショット 2023-04-08 154803


ガントリープレート汎用型に背面から10mmボルト、正面から15mmボルトを使って取り付けます。15mmボルトはガントリープレートの単純穴に通し、背面からワッシャーナイロンロックナットで固定します。
ガントリープレートは表裏があるので向きに注意してください。



もう一枚のガントリープレート汎用型8mmナットブロックを取り付けます。
間にワッシャー1mm精密シムを挟むのを忘れないでください。


工具固定座を取り付けた方のガントリープレートのざぐり穴6カ所に60mmボルトを挿し、6mmスペーサーVホイール9mmスペーサーVホイール6mmスペーサーの順に通します。
ガントリープレートの穴が大きい方には6mmスペーサーではなく偏心スペーサーを差し込みます。
図では上の段が偏心スペーサーになっていますが、逆でも構いません。

8mmナットブロックを固定したガントリープレートで蓋をし、ワッシャーとナイロンロックナットで固定します。こちらも穴が大きい方が偏心スペーサーになるように向きを揃えてください。



2.2 Y,Z軸用のガントリーユニット

使用部品名 個数(1ユニットあたり)
ガントリープレート – 汎用型 2
8mmナットブロック 2
1mm精密シムリング 4
スペーサー - 6mm 4
偏心スペーサー6mm 4
スペーサー - 9mm 4
Vホイール 8
ワッシャー 8
ナイロンロックナット 8
低頭ボルト M5 - 20mm 4
低頭ボルト M5 - 60mm 4

X軸のガントリーユニットとほぼ同じです。
工具固定座を取り付ける必要がなく、ホイールが6カ所ではなく4カ所になっています。
同じものを4個作ります。



3.各軸の組み立て



3.1 X軸(Y,Zもほぼ共通)

使用部品名 個数
X軸用ガントリーユニット 1
C-Beamリニアレール1000mm 1
リードスクリュー1040mm 1
モーター固定座 2
低頭ボルト20mm 8
8mmボールベアリング 2
8mmシムリング 2
シャフトカラー 2
Tナット 16

作る軸に対応した長さのC-Beamリニアレールの先端に20mmボルトモーター固定座を取り付けます。


先ほど作ったガントリーユニットX軸用の8mmナットブロックに作る軸に対応した長さの8mmリードスクリューを通します。8mmナットブロックの固定を緩めて位置を調整しながらじゃないと通らない場合があります。 ナットブロックは軸が完成してから調整して締めます。


C-Beamリニアレールの開いている方からガントリーユニットを通します。
キツくて通らない場合は偏心スペーサーを回してVホイールを緩めてください。


リードスクリューの先端に8mmベアリング8mmシムリングシャフトカラーを通します。

反対側にも逆順でシャフトカラー、8mmシムリング、8mmベアリングを入れます。

後から他の部品を固定するためのTナットをC-Beamリニアレール溝に入れます。
図を参照して必要数を入れてください。

Tナットを入れたらモーター固定座を取り付けて蓋をします。


ロックカラーを付属のイモネジで固定します。
リードスクリューがガタつかないようにロックカラーを端に寄せて調整してください。
リードスクリューは片方は16mm飛び出し、もう片方はまったく飛び出ないようにします。



3.2Y軸×2

使用部品名 個数(1ユニットあたり)
Y軸用ガントリーユニット 1
C-Beamリニアレール500mm 1
リードスクリュー540mm 1
モーター固定座 2
低頭ボルト20mm 8
8mmボールベアリング 2
8mmシムリング 2
シャフトカラー 2
Tナット 4
低頭ボルト8mm 4
直角固定具(黒) 4

長さとTナットを入れる箇所以外はX軸と同じです。


Tナットに8mmボルトを使って直角固定具(黒)を4個取り付けます。C-Beamリニアレールの両端に固定します。同じものを2本作ります。



3.3Z軸×2

使用部品名 個数(1ユニットあたり)
Z軸用ガントリーユニット 1
C-Beamリニアレール375mm 1
リードスクリュー415mm 1
モーター固定座 2
低頭ボルト20mm 8
8mmボールベアリング 2
8mmシムリング 2
シャフトカラー 2
Tナット 12

長さとTナットを入れる箇所以外はX軸と同じです。



各軸の組み立てが完了したら、改めて8mmナットブロックにテンションをかけて固定、ロックカラーでガタつきが無いように固定 を確認してください。


4.土台フレームの組み立て

使用部品名 個数
V-slotリニアレール2040-955mm 2
C-Beamリニアレール500mm 2
垂直ジョイントプレート 12
低頭ボルト 10mm 32
低頭ボルト 15mm 28
Tナット 72
エンドキャップ-シングル 4

土台フレームには後からZ軸、Y軸を取り付けるためのTナットをあらかじめ入れておく必要があります。忘れないように注意して作業してください。


V-slotリニアレール2040‐955mmを図のように置き、上面の溝に4個Tナットを入れておきます。
これはY軸を固定する際に使用します。


C-Beamリニアレール500mmを載せ、図のようにTナットを入れます。フレーム外側の側面下の段のみ8個。
それ以外の溝には2個ずつTナットを入れます。



垂直ジョイントプレートを使ってC-Beamリニアレール500mmV-slotリニアレール2040-955mm
を組んでいきます。
画像のようにV-slotリニアレールの上にC-Beamリニアレールが乗るように四角く組みます。
V-slotリニアレール側面の上の段にTナットを1個追加で入れ低頭ボルト10mmボルトで固定します。
C-Beamリニアレールの先端のタップ穴と低頭ボルト15mmを使って固定します。


同じようにV-slotリニアレール側面の上の段にTナットを1個、下の段にTナットを3個入れ、低頭ボルト10mmで固定します。
C-Beamリニアレールの先端のタップ穴と15mmボルトを使って固定します。

四隅を同じように固定します。
1カ所目から強く固定するとフレームが歪みやすいです。最初は軽く四隅を仮固定し、フレームの垂直を確認してから本締めするようにしてください。


四隅を垂直ジョイントプレートで追加固定します。
あらかじめ入れてあったTナットとレールの先端のタップ穴を使い、低頭ボルト10mmと低頭ボルト15mmで固定します。


四隅の空いている先端部分をエンドキャップ-シングルで保護します。
エンドキャップはマシンを傾けたりするうちに取れることがあるので、取れやすい場合はすべての組み立て後に取り付けてください。

5.各軸の取り付け



5.1 XZ軸合体

| — | — |
|直角固定具(黒)|4|
|低頭ボルト-8mm|8|
|低頭ボルト-10mm|8|
|低頭ボルト-12mm|8|

5.2 XZ軸組みつけ

使用部品名 個数
低頭ボルト-8mm 56
8穴直角固定具 4
ステンレス垂直プレート剛 4

Z軸にあらかじめいれているTナットと低頭ボルト-8mmを使って8穴直角固定具を取り付けます。穴が二段ありますが、上の段のみ使用します。4個取り付けます。
8穴直角固定具の底面とZ軸の底面が面一になるように仮固定してください。

XZ軸を土台フレームに載せ、最初にケガキ線を描いた160mmラインを基準に
低頭ボルト-8mmで固定します。
ズレたまま強く固定するとZ軸が傾くので仮締めし、他のプレートの仮締めをして位置を調整してから本締めしてください。



Z軸の両サイドをステンレス垂直プレート剛で固定します。
あらかじめ入れてあるTナットと低頭ボルト-8mmを使用します。
上のTナットから順に入れていくと入れやすいです。
仮締めで全てのプレートを取り付けてから本締めしてください。



5.3 Y軸組みつけ

加工テーブルは任意のものを用意してください。
稼働範囲が約600mm×300mmなのでホームセンターで手に入る600mm×300mmのMDF板(中密度繊維版)などが手軽に安価に用意することができます。
詳細はテーブルガイドを参照してください。

使用部品名 個数
低頭ボルト-15mmボルト(板厚8mmざぐり2mmの場合) 8
低頭ボルト-8mm 8
加工テーブル(各自用途に応じて選定) 1

土台フレームにあらかじめ入れてあるTナット8mmボルトを使用してY軸を土台フレームに固定します。

6.モーター、リミットスイッチの取り付け


6.1 モーターの取り付け

使用部品名 個数(1カ所あたり)
低頭ボルト-55mm 2
40mmスペーサー 2
Nema23ステッピングモーター 1
カップリング 1

軸から16mm飛び出しているリードスクリューにカップリングを取り付けます。
55mmボルトをステッピングモーターに通し、40mmスペーサーも通してモーター固定座に取り付けます。モーターの軸のDカットとカップリングのイモネジの位置が合うように取り付けて、イモネジを締めて固定します。
4点固定座の場合は55mmボルトと40mmスペーサーの数が倍になります。
X軸1個、Y軸2個、Z軸2個の計5カ所取り付けます。
実物はケーブルが出ている面があります。ケーブルの取り回しを考えて取り付ける向きを決めてください。


6.2 リミットスイッチの取り付け

リミットスイッチマウントを用意した場合は下記の部品で取り付けます。
マウントを用意しない場合は付属の小さいプレートで取り付けてください。

使用部品名 個数(1カ所あたり)
低頭ボルト-8mm 2
差し込みTナット 2
リミットスイッチ 1
リミットスイッチマウント 1


6.3 補助フレーム(ケーブルガイド)の取り付け

使用部品名 個数
低頭ボルト-8mm 4
Tナット 2
直角固定具(黒) 2
V-slotリニアレール2040-955mm 1

作業前にZ軸の高さを揃えてください。

V-slotリニアレール2040-955mm低頭ボルト8mmTナットを使って直角固定具を取り付けます。
図のように両端に取り付けます。

低頭ボルト8mmボルトでZ軸ガントリープレート背面のネジ穴に固定します。

V-slotリニアレール2040の下図赤矢印の隙間は配線の際にケーブルを通すことができます。


6.4 トリマー/スピンドルの取り付け

工具固定座の低頭ボルトを両方緩めてスピンドルを差し込み、固定します。

リファレンス

以下の素材を一部お借りしています。
CADデータ:OPENBUILDSパーツライブラリ
説明画像:Avalontechドキュメント

配線、設定

ソフトウェアの設定、使い方は公式ドキュメントが充実しています。
基本的には

Duet3Dの公式ドキュメント

Avalontech株式会社の公式ドキュメント

を参考にしてください。
英語のページは画面のどこかを右クリックしたら出てくるメニューの中の「日本語に翻訳」ボタンで全部日本語になります。


とはいえ情報が多いのでざっくりとした解釈として

  • Duet基板はSDカード内のconfig.gというテキストファイルに設定情報が入っている。
  • config.gの中に基板の〇番がX軸、回転速度はいくら、電流はいくらという設定が書かれている。
  • config.gはメモ帳などで編集ができる。接続ができればWeb画面上でも編集ができる。

配布している初期オススメ設定では下図のように設定されています。