メカキネ(MKA)のチュートリアル(配線・ソフト)

大きな流れ

  1. Duet 制御基板の電源配線、動作確認
  2. Duet 制御基板の設定
  3. 各種配線
  4. MKA ソフトの準備
  5. MKA ソフトを使ったモーションの作成

1.~3.についてはDuet制御基板におけるCNCの準備の同項目部分と同じです。

1. Duet 制御基板の電源配線、動作確認

1.1 電源配線

電源を準備します。
以下は 24V 直流電源の例です。L、N にコンセント側、+V、-V は制御基板側に接続する部分です。


(from: 電源配線 | AvalonTech Documentation by AvalonTech)

Duet 基板の端子台に VIN,GND と書いてある箇所にそれぞれ電源の+、-を接続します。
Duet 基板の端子台のネジを緩め、ケーブルを差し込みネジを締め込んでしっかり固定します。

Duet 基板側 電源 備考
VIN V+(プラス) 直流 11V ~ 32V まで
GND V-(マイナス)

Duet3 MB 6HC の場合


(from: Wiring your Duet 3 mainboard | Duet3D Documentation by Duet3D)

再度接続を確認し、直流電源のコンセントをつなぎ制御基板へ電源供給を試します。
無事電源が供給されていれば下図赤枠で囲まれた部分の各種 LED が点灯します。

(from: Wiring your Duet 3 mainboard | Duet3D Documentation by Duet3D)

LED の点灯確認が終われば一度電源を切っておきましょう。

参考:
https://docs.avalontech.jp/CNC/Electrical_Manual/PowerSupply

1.2 ネットワーク設定

config ファイルをこちらからダウンロードします。

Duet 制御基板に付属する microSD を取り出し、PC で開き sys/config.g をダウンロードした config ファイルで上書きします。

Duet 制御基板は基本的にネットワーク経由でアクセスします。下記を参考にして使用する接続方法を決定してください。 ただし、接続のわかりやすさの観点から現状は有線LANでの接続を推奨します。 Duetの接続方法について | AvalonTech Documentation

この後に config.g をテキストエディタで開いて、ネットワークの設定を行います。

有線 LAN 接続の場合、IP アドレスの設定をしておきます。 これは先ほど SD カードに入れた sys/config.g のM552 の行を編集します。 KAS ソフトでは 192.168.0.56 がデフォルト設定ですが、ネットワーク環境によっては動作しないことがあります。その場合は M552 P0.0.0.0 S1 として IP アドレス自動設定にします。

編集が終わったら保存し、microSD カードを Duet 基板に戻します。

1.3 WEBUI 動作確認

Duet 制御基板の LAN 端子に LAN ケーブルを挿し、ハブやルーター、PC に接続します。

ネットワーク経由ではなく、USB-LAN アダプタ経由や PC に LAN ケーブル挿す場合は別途設定が必要となります。
【Duet3】USB(有線LANアダプタ)を使った接続

下図のようなUI画面が見えれば制御基板のネットワーク設定は正常に行われているのでOKです。

2. Duet 制御基板の設定

WEBUIのメニューからファイル管理→システムを選びます。 config.gのファイルを選択すると編集画面に入ることができます。

ネットワーク設定以外はデフォルト設定でも構いませんが、環境に応じて以下の設定を変更します。

  • IP アドレスの設定 M552
    (KAS ソフトでは 192.168.0.56 がデフォルト設定ですが、環境によっては動作しないことがあります。その場合は M552 P0.0.0.0 S1 として IP アドレス自動設定にします。 )
  • 軸の設定 M569、M584
  • モーターの移動量関連 M92, M350
  • モーターの駆動関連 M203, M201
  • モーターの移動制限関連 M203
  • モーターの電流値関連 M906

トリガーを使用する場合は以下のように設定する必要があります。

  • ピン定義 M950 J◯ C”io◯.in”
  • トリガー定義 M581 P◯ T◯ リミットスイッチにてホーミングを有効化する場合はリミットスイッチの定義を行います。 (上記 config では;にてコメントアウトされているので、行頭の;を削除します。)

M574 ◯1 S1 P"!^io◯.in" なお、T パラメータは 2 以上にしてください(T0,T1 は非常停止系で既に定義されています)

参考:

3. 各種配線

3.1 モーター配線について

https://docs.avalontech.jp/CNC/Electrical_Manual/Motor_Wiring
各モーターをDuet制御基板のモーター接続口に接続します。
制御基板のモーター接続口の0番目から順に接続していきます。

3.2 スイッチを使う場合の配線について

スイッチは決まった位置を検出すること(原点検出、ホーミング)に使う他、スイッチを押した時にモーションを実行するトリガーとして使うことができます。

https://docs.avalontech.jp/CNC/Electrical_Manual/LimitSwitch
スイッチなど入力関係は制御基板のIOピンに接続します。

4. MKAソフトの準備

  1. Releaseページからソフトのzipファイルをダウンロードしてきます。

  2. zipファイルを解凍し、中にあるMechKineticsArtSoftware.exeを実行します。起動に少し時間がかかります。

  3. Home画面のステータス部に「接続済」と表示されていれば制御基板に接続されておりOKです。
    デフォルトの設定とIPアドレスが異なる場合などは未接続などと表示されます。
    368134007-0ab75537-a625-4a2f-875a-51eec4afd536

  4. 制御基板のIPアドレスがデフォルト(192.168.0.56)と異なる場合は、設定パネルのIPアドレスの項目を変更し、デフォルト設定として保存します。その上でソフトを再起動してください。
    368134080-f255181c-9463-41df-b272-e7279404a04a

    368134138-ced65887-1837-4af8-b749-b9b00af138ab

5. MKA ソフトを使ったモーションの作成

5.1 動作確認

  1. Controllerパネルにて各モーターの+、-を押してみて動作することを確認します。

  2. Animatorパネルにて各モーターに値を入れてみて動くことを確認します。

5.2 モーション作成

kas

Animatorパネルにてモーション作成を行います。 手順としては以下の通りです。

  1. モーションとして動かしたい行き先へAnimatorパネル下の位置入力ボックスと移動ボタンを使い移動する
  2. 位置が決まったらキーフレームをセットする

    なおキーフレームは以下の種類があります。
キーフレーム 内容
線形移動 全てのモーターを同時に動かし、同じタイミングで移動終了するように移動する。移動速度は指定の移動速度を参照する
高速移動 指定の位置に最速で移動する。全てのモーターが同じタイミングで移動終了するとは限らない。開始位置への移動などに使う。
一時停止 指定された秒数停止する
モーション終了 終了
  1. 1.2.を繰り返し、移動して位置を決め登録するを希望の動きに沿って実施します。

  2. 一通り登録を終えたら、キーフレームデータを保存しておきます。

  3. 送信先を指定し、モーションデータを制御基板へと送ります。
    368169773-85a46afc-e5b4-43f1-adcf-cea3d4fc9d88

  4. 実際にモーションを実行してみて動きを確認します。
    368169812-db568cc7-bb8c-4b73-be33-c87eef59bf84

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